プラロード工法のホームページはこちら

NIIDATE 新舘建設株式会社 Niidate & Co.

お知らせ News

2025/07/17
弊社における安全文化構築への取り組み

1.安全意識の高揚と文化の醸成
建設業は、日々の業務において危険と隣り合わせの現場環境が常態化している業種である。重機の操作、高所作業、猛暑などの厳しい自然条件下における業務遂行は、社員に高度な安全意識と行動力を要求する。したがって、企業としての安全管理体制の構築は、単なる義務ではなく、「社員の命を守る」という最重要の経営課題である。
そのような中、安全意識を継続的に向上させるための施策として注目されるのが安全大会である。本稿では、弊社が毎年実施している安全大会の内容およびその効果を通じて、安全文化の構築に向けた取り組みの意義を論じる。

2.安全大会の定義と目的
安全大会とは、従業員および関係者が一堂に集まり、安全講話、事故ゼロへの表彰、活動報告などを通じて、労働安全衛生の意識を共有し、強化する場である。単なる報告会ではなく、企業文化としての安全を根付かせるための象徴的かつ実践的な行事と言える。
特に、安全衛生委員会による定期パトロールやヒヤリハット報告に基づく改善事例の紹介は、実際の現場で起こっている「気づき」を会社全体に波及させる役割を担っている。このような定期的な意識共有の機会こそが、社員一人ひとりの安全行動を支える土台となる。

3.弊社における安全大会の実施状況
弊社では、安全文化の醸成を重要施策と位置づけ、毎年一度の頻度で安全大会を開催している。コロナ以前は、都内ホテルを貸し切り、主要取引先の主賓招待や協力会社を含む100名以上の規模で開催されていたが、現在は感染対策も踏まえ社内大会議室にて、社員主体の形で実施している。
最近の安全大会では、以下のような内容が取り上げられた
・ 安全衛生委員による現場パトロール報告
・ 衛生管理者および産業医による巡視報告
・ 有害環境除去対策
・ 労働安全衛生コンサルタントによる講話(熱中症対策、法律改正内容など)
・ 無事故無違反運転者、優良施工者の表彰
とくに今年の講話では、6月1日から義務化された熱中症対策に関する制度や体制整備の重要性、違反時の罰則、予防の実践事例が詳しく説明され、参加者の理解促進と行動改善に寄与した。
また、自転車に関する青切符制度と罰金制度という比較的身近な法律改定も紹介され、現場外での法令遵守意識向上にもつながった。こうした内容の多様性は、安全を現場の中だけの話と限定せず、生活全般へ広げて捉える契機ともなっている。

4.表彰制度の効果と実績の推移
表彰制度は、従業員の安全行動を可視化し、称賛することで、モチベーションアップに大きく貢献する取り組みである。今回の安全大会では、1年間無事故無違反を継続した社員と、難易度の高い施工を無事故で竣工させた職員が対象となり、表彰が行われた。
その人数は19名。現場に携わる職員の約半数以上に及ぶ。これは単なる個人の成果ではなく、会社としての安全教育・パトロール・意識共有が全社的に機能している証である。
また、事故件数の推移をみると、平成26年度の13件から、昨年はわずか4件と、約70%の減少を達成している。この成果こそ、安全大会を中心とした安全文化形成が着実に進んでいる証左である。

5.安全文化の定着と今後の展望
安全大会は、単なる恒例行事ではなく、従業員一人ひとりが自分自身の安全は自分で守るという自律的な安全行動を形成する場として機能している。その継続が、企業全体の無事故無災害につながっている。
今後の展望として、以下の点が挙げられる
・デジタル活用による安全教育の強化(VR体験、安全eラーニングなど)
・若手社員の視点を取り入れた安全体制の柔軟化
・表彰制度の拡充と現場フィードバックとの連動
・外部専門家との連携強化による法改定情報の迅速な共有
安全とは、静かに流れていくものではなく、意識して育てていくものである。毎年の安全大会がその水脈となり、従業員の命を守る力へと変化していく。これからもゼロ災害を目指し、教育と共有の場としての安全大会の充実に努めていきたい。

冒頭あいさつの様子

講話の様子

表彰式の様子